労働保険料の納付の手続き。年度更新とは?
労働保険料の年度更新の時期がやってきました。
令和4年度労働保険の年度更新期間は6月1日(水)~7月11日(月)です。
年度更新とは
同居の親族以外の従業員を一人でも雇ったら労災保険への加入が必要です。
労災保険は、業務上の事故や通勤途上の事故等に対して給付がされる公的保険です。
業務上、通勤途上での事故で病院にかかるときは、健康保険証提示ではなく「業務上」であることを伝えます。
従業員を雇った際は、労働基準監督署へ「保険関係成立届」を提出します。
そこで「概算保険料申告書」をあわせて提出し、年度末の3月末までの保険料を納付します。
「保険関係成立届」「雇用保険適用事業所設置届」とは?人を雇ったら必ず加入!
そして令和4年度は6月1日(水)~7月11日(月)の年度更新期間中に、令和3年度の確定保険料と令和4年度の概算保険料を計算して納付します。
これが「年度更新」です。
確定保険料と概算保険料
確定保険料は、令和3年度に支払った従業員への給料総額を集計し、それに労災保険料率をかけた金額です。(建設業は請負金額での集計もあり)
概算保険料は、原則、確定保険料と同額を令和4年度の保険料として納付します。
最初に概算で保険料を納付していますので、その額と令和3年度の確定保険料との間に不足がでれば、令和4年度の概算保険料に加算して納付し、概算保険料のほうが多ければ、令和4年度の概算保険料に充当して納付します。
年の途中で従業員を雇い、納付した概算保険料額が例えば6ヵ月分しかない時は、翌年度の概算保険料は2倍計算で納付しておきます。
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令和4年度は、雇用保険料率が2段階で上がる!
労働保険料の中には、雇用保険料も含まれます。
原則、週20時間以上働く従業員は、雇用保険に加入します。こちらは離職した場合のいわゆる失業保険や、育児休業時や介護休業時に給付金が受けられる保険です。別途、ハローワークで「雇用保険適用事業所設置届」と「雇用保険被保険者資格取得届」の提出が必要です。
コロナの影響で休業した従業員の休業手当分として「雇用調整助成金」が支給されました。
この財源は雇用保険料から出されており、急速にこの財源が減少したことから、令和4年度は4月と10月に2段階で、雇用保険料率が引き上げられることになりました。
したがって、令和4年度の概算保険料は、令和4年4月から9月、10月から翌3月までの期間に分けての集計が必要となりました。結果的に来年の年度更新も確定保険料計算は2段階集計となります。この点、今年はイレギュラーですので、注意してください。
案内書類は緑の封筒に入って届きます。
申告は電子申請でも可能ですが、届いた申告書の中にある個別の「アクセスコード」が必要ですので、捨てないでくださいね。「電子申請なら要らないよね?」と捨てちゃう方もいますので。
まとめ
年度更新は、毎年1回必ず行うものです。
従業員の給料額や請負工事額の集計が必要となりますので、普段からこれらの記録は取っておき、すぐに集計作業にかかれるようにしておきましょう。
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投稿者プロフィール
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柏谷横浜社労士事務所の代表、柏谷英之です。
令和3年4月から中小企業においても「同一労働同一賃金」が適用されました。これは正社員 と非正規雇用労働者(有期雇用労働者・パートタイム労働者・派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。これまでのように単にパートだからという理由だけで「交通費や賞与はない」ということは認められません。
これからは「同一労働同一賃金」に対応するため、正社員 と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差を是正しなければいけません。
「働き方改革」が推進され、残業時間の上限規制(長時間労働の是正)、有給休暇の取得義務化など、法律はめまぐるしく変わっています。また「ブラック企業」という言葉が広く浸透し、労働条件が悪いと受け取られる企業は採用にも苦労しています。
法律に適した労務管理で、働きやすい職場環境を整え、従業員の定着や生産性の向上など、企業の末永い発展をサポートします。
お困り事やお悩み事がありましたらお気軽にご相談ください。
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