男性の育児休業取得に57万円!両立支援等助成金!

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令和2年度雇用均等基本調査によると、女性の育児休業取得率は81.6%、男性は12.65%ということです。男性の取得率が初めて10%を超えましたが、まだまだ少ないのが現状です。

育児休業が取得できない理由として「会社に育児休業の制度が整備されていない」「育児休業を取得しづらい雰囲気だった」などもまだまだ多いです。
男性が育児休業を取得しやすい環境づくりのため2010年からは「イクメンプロジェクト」もスタートしています。

そんな中、男性の育児休業取得に対して支給される助成金が、両立支援等助成金(出生時両立支援コース)、別名「子育てパパ支援助成金」です。

両立支援等助成金(出生時両立支援コース)とは

男性労働者が育児休業や育児目的休暇を取得しやすい職場風土作りに取り組み、育児休業や育児目的休暇を取得した男性労働者が生じた事業主に支給されます。

育児休業は、育児・介護休業法第2条に基づく制度で、会社の規定に定めがなくても法律に基づき利用できるのに対し、育児目的休暇は、育児・介護休業法第24条により、育児に関する目的で利用できる休暇制度(配偶者の出産休暇や子の行事参加のための休暇など)を設けることが会社の努力義務とされていて、 会社の規定に定めがなければ、利用できません。

支給要件
・育児休業制度及び育児のための短時間勤務制度について、対象労働者の休業等開始前に
 就業規則に規定していること。
・一般事業主行動計画を策定し、その旨を都道府県労働局長に届け出ていること。また当
 該一般事業主行動計画を公表し、労働者に周知していること。
 (一般事業主行動計画の策定・公表は、厚生労働省が運営するウェブサイト「両立支援
 のひろば」を利用しましょう)
・育児休業開始前に、男性労働者が育児休業を取得しやすい職場風土作りの取り組みを行
 っていること。(※)
・子の出生後8週間以内に、男性労働者が連続した14日以上(中小企業は5日以上)の育
 児休業を取得したこと。

(※)男性労働者が育児休業を取得しやすい職場風土作りの取り組みには、
●男性労働者の育児休業取得に関する研修の実施
●男性の育児休業制度の利用を促進するための資料配布等
●男性の育児休業取得に促進について企業トップ等から社内呼びかけや、「イクボス宣
 言」、「イクメン企業宣言」による外部への発信
●育児休業を取得した男性労働者の事例収集及び社内周知
などがあります。

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支給額

対象労働者1人あたりの支給額は以下の通りで、同一の男性労働者に係る同一の育児休業については1回限りの支給です。
1年度に支給される対象労働者数は、10人までです。

・中小企業事業主 57万円

また、2人目以降の取得の場合は、男性労働者が連続して取得した育児休業の日数に応じて、以下の額が支給されます。

中小企業事業主
●5日以上14日未満(うち申出に係る4日以上が所定労働日であるもの)
14.25万円
●14日以上1か月未満(うち申出に係る9日以上が所定労働日であるもの)
23.75万円
●1か月以上(うち申出に係る9日以上が所定労働日であるもの)
33.25万円

個別支援加算

上記支給要件の措置に加え、育児休業の申し出日までに次の取組みを行った場合に、以下の金額が加算されます。
(イ)育児休業に関連する制度(休業中や休業後の待遇や労働条件、関連する休暇、子の
   看護休暇、時間外労働・深夜業の制限、所定労働時間の短縮措置等)を男性労働者
   にメール、書面等で個別に通知すること。
(ロ)対象男性労働者に対し、育児休業取得を促すための個別面談。
(ハ)対象男性労働者の上司に対し、対象男性労働者に育児休業取得を促している旨の説
   明。
(ニ)上司に対し、男性労働者に交付した上記(イ)の書面等を提示。

・中小企業事業主 10万円
・二人目以降 5万円

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育児目的休暇での支給要件と支給額

育児休業とほぼ同じですが、育児目的休暇では、
男性労働者が、この出生前6週間から出生後8週間の期間中に、合計して8日以上(中小企業は5日以上)の所定労働日に対する育児目的休暇を取得すること
が必要です。

支給額
中小企業事業主 28.5万円(1事業主1回限り)

まとめ

生産性要件を満たした場合の加算や、中小企業以外の事業主への支給額の違いなどがありますが、ここでは中小企業事業主に絞って、記載しています。
制度を設けて就業規則に記載し、一般事業主行動計画の策定・公表・周知する、そして実際に育児休業を取得することで助成金対象となりますので、比較的利用しやすい助成金です。
共働き家庭が一般的になっている中、育児休業の取得しやすさは、従業員や求職者に対してプラスポイントになります。男性の育児休業取得、まずは5日から始めてみてはいかがでしょうか。


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投稿者プロフィール

柏谷英之
柏谷英之
柏谷横浜社労士事務所の代表、柏谷英之です。
令和3年4月から中小企業においても「同一労働同一賃金」が適用されました。これは正社員 と非正規雇用労働者(有期雇用労働者・パートタイム労働者・派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。これまでのように単にパートだからという理由だけで「交通費や賞与はない」ということは認められません。
これからは「同一労働同一賃金」に対応するため、正社員 と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差を是正しなければいけません。
「働き方改革」が推進され、残業時間の上限規制(長時間労働の是正)、有給休暇の取得義務化など、法律はめまぐるしく変わっています。また「ブラック企業」という言葉が広く浸透し、労働条件が悪いと受け取られる企業は採用にも苦労しています。
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