休日と休暇の違いを踏まえて、就業規則を設定しよう!!

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2019年4月から有給休暇5日取得が義務化されています。
1年に10日以上有給休暇が付与される従業員は、パートであっても5日間は、有給休暇を利用させなければいけません。
この有給休暇は、元々会社が休みの日には利用できません。

休日、休暇の種類と違い

一般的な平日勤務の会社の休みには、通常土曜、日曜があり、その他祝日、年末年始、お盆、ゴールデンウィークなどがあります。
他にも、特別休暇として、結婚した時、身内に不幸があった時などの慶弔休暇が規定されている会社もあり、産前産後休業、育児休業などもあります。

休日:労働義務のない日
休暇:労働義務はあるが免除された日

休日は、労働義務のない会社の休みです。土日祝日など。
休暇は、通常勤務日だが、労働を免除された日ということで、慶弔特別休暇などが該当します。
この休暇は、必ずしも有給である必要はありません。

では、夏季休暇、冬季休暇はどちらでしょうか。
休暇となっていますので、文字通り労働義務のある休暇扱いでしょうか。実際、デパートやレストランなど年末年始やお盆関係なく開いている施設もあります。
これらが休日設定なのか、休暇設定なのかは、就業規則の定めによります。

休暇設定は慎重に

夏季休暇(お盆)を8月13日、14日、15日の3日間、
冬季休暇(年末年始)を12月30日から1月3日の5日間
として、これらを休暇扱いとして、通常の有給休暇を消化する方法も可能ではあります。

しかし、一般的に年末年始やお盆は休みという感覚が多い中、その休みに有給が消化されるとなると、従業員の心証は良くありません。

有給休暇の5日取得の義務化がされた時、夏季休暇、冬季休暇を休日から休暇に変更し、年間休日数は変えずに対応する手法も聞かれました。
前述の慶弔特別休暇も無給とすると、結局通常の有給休暇を利用することになります。
そうすると、「特別休暇と言っても、ただ有給を使えということで、実質特別休暇なんてない」と言われても否定できません。

会社の措置が、従業員の福利厚生の一環として役立っているのか、逆にモチベーションを落としているのかは、しっかり考慮して設定したいところです。

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年次有給休暇の計画的付与の活用

年次有給休暇の計画的付与制度とは、年次有給休暇のうち、5日を超える分については、労使協定を結べば、計画的に休暇取得日を割り振ることができる制度のことをいいます。
年次有給休暇の日数のうち5日は個人が自由に取得できる日数として必ず残しておかなければいけません。例えば、年次有給休暇の付与日数が10日の従業員に対しては5日、20日の従業員に対しては15日までを計画的付与の対象とすることができます。

活用例
①大型連休
設定した夏季休暇3日、冬季休暇5日等に加えて、その前後に年次有給休暇を計画的に付与して大型連休する。
②飛び石休日をつなげるブリッジホリデー
ゴールデンウイーク中の平日や、土日と祝日に挟まれた平日に、年次有給休暇を計画的に付与して連休とする。
③個人別に希望を取り、家族の誕生日や結婚記念日など、従業員の個人的な記念日に利用してもらう。

こういった制度も利用しながら、年間休日数が1日だけでも増えるように設定し、5日の有給休暇利用義務もクリアしたいところです。

まとめ

休日と休暇の設定を見直す場合に、会社一斉の年間休日数が変わらなくても、別途個人別の有給休暇が気兼ねなく取れる等の措置があれば、導入はしやすくなります。
何が何でも有給を使い切るという従業員もいましたが、多くは病気など万が一の時用に残しておきたいと考えたり、仕事が忙しくて使いづらいという方の方が多い印象です。

気兼ねなく有給休暇を利用できる環境と制度を整えて、従業員の定着も図っていきましょう。


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投稿者プロフィール

柏谷英之
柏谷英之
柏谷横浜社労士事務所の代表、柏谷英之です。
令和3年4月から中小企業においても「同一労働同一賃金」が適用されました。これは正社員 と非正規雇用労働者(有期雇用労働者・パートタイム労働者・派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。これまでのように単にパートだからという理由だけで「交通費や賞与はない」ということは認められません。
これからは「同一労働同一賃金」に対応するため、正社員 と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差を是正しなければいけません。
「働き方改革」が推進され、残業時間の上限規制(長時間労働の是正)、有給休暇の取得義務化など、法律はめまぐるしく変わっています。また「ブラック企業」という言葉が広く浸透し、労働条件が悪いと受け取られる企業は採用にも苦労しています。
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