振替休日と代休の違いを再確認しよう

法定労働時間は、1日8時間、週40時間と定めれています。また会社は労働者に対して、週に1日又は4週間に4日以上の「法定休日」を与えなければいけません
このため多くの会社が1日8時間で土日休みの週40時間という設定になっています。
この休日に休日出勤を命じた代わりに与える休日に「振替休日」と「代休」があります。
それぞれの違いを確認していきましょう。

休日=労働義務のない日

休日とは、元々労働義務がない(免除された)日です。
土日休みのうち、1日は法定休日、もう1日は法定外休日となり意味合いに違いはありますが、休日であることには変わりありません。
労働者を休日に労働させた場合には、割増賃金の支給または週1回の法定休日がなくならないように別の日に休みを与えなければいけません。

振替休日と代休の違い

休日出勤の代わりに与える休みが「振替休日」になるのか「代休」になるかは、その代わりの休みを休日出勤の前に決めたか、後に決めたかによります。
事前に決めていれば「振替休日」、後に決めたら「代休」となります。どちらになるかで割増賃金に影響します。

日曜月曜火曜水曜木曜金曜土曜
法定休日

労働日
労働日労働日

振替休日or代休
労働日労働日労働日所定休日

表の場合、法定休日の日曜日に休日労働をして、労働日であった火曜日の労働義務を免除しています。
休日労働した日曜日の前日までに「火曜日が代わりの休み」と決めていたのであれば「振替休日」、日曜日以後に決めたのであれば「代休」となります。

「振替休日」であれば、事前に労働日と休日を振り替えますので、日曜は法定休日ではなくなり、割増賃金もありません。
「代休」であれば、日曜日の休日労働には割増賃金が発生します。就業規則等で日曜を法定休日と特定している場合には3割5分。これは火曜日に「代休」を取っても相殺されません。

人事労務に関する役立つ資料を無料でダウンロード!→こちらから

翌週以降に振替休日を与える場合

振替休日を休日出勤日より前に特定していた場合には、原則割増賃金は発生しません。
ただし、代休や振替休日を翌週以降に設定していた場合に、その週の労働時間が48時間になるようなときは2割5分以上の割増賃金が必要です。就業規則等で日曜を法定休日と特定している場合には3割5分以上。

1週目(合計労働時間48時間)

日曜月曜火曜水曜木曜金曜土曜
法定休日

労働日
8時間
労働日
8時間
労働日
8時間
労働日
8時間
労働日
8時間
労働日
8時間
所定休日

2週目(合計労働時間32時間)

日曜月曜火曜水曜木曜金曜土曜
法定休日労働日
8時間
労働日

1週目の振替休日
労働日
8時間
労働日
8時間
労働日
8時間
所定休日

1週目の日曜日に休日出勤した分を翌週の火曜日に振替休日としてお休みとしています。
この場合1週目の合計労働時間が48時間となり、法定労働時間を超えていますので8時間分の割増賃金が必要となります。

振替休日・代休の取得期限

振替休日や代休の運用は、就業規則等によりますのでいつまでに取得という法的な期限はありません。そもそも代休であれば与える義務まではなく、割増賃金を支給するのみという会社もあるかもしれません。しかし多くの会社ではやはり振替休日、代休の規定は就業規則に定めてあります。振替休日や代休をあまり先延ばしにすると、管理が煩雑になりますし、その月の給料締め日の中で取得するのをお勧めします。

人事労務に関する役立つ資料を無料でダウンロード!→こちらから

フレックスタイム制との関係

近年、柔軟な働き方としてフレックスタイム制を採用する会社も多くなっています。
フレックスタイム制においても、法定休日の原則は適用されますので、週1日の休みは必要です。
フレックスタイム制における残業時間は清算期間における総労働時間の枠を超えた時間ですが、法定休日に労働させた場合には、総労働時間の枠とは別に、割増賃金が必要になります。日曜を法定休日と設定している場合の日曜出勤は、適切に振替休日を利用しながらの運用が良いでしょう。

まとめ

休日出勤の前に代わりの休日を決めてしまうのが「振替休日」
休日出勤をしてしまった後に取得するのが「代休」

どちらも就業規則等の定めによって運用します。どちらになるかで割増賃金に影響します。

また、近年の柔軟な働き方で、労働日、労働時間、休日の概念があやふやになってきています。
労働基準法の前提は、使用者の指揮命令の下、労働者は労働日に労働を提供することで賃金を受けているということです。労働者側から休日に勝手に出勤して勝手に他の日に休むというようなものではありません。コアタイムのないスーパーフレックス制となるとこの辺りがよりあいまいになりそうです。

柔軟な働き方は大切ですが、会社は指揮命令権がある代わりに労働者に対する安全配慮義務もあり、労働時間の適切な管理義務もあります。そして賃金に未払いがあってはいけません。

振替休日と代休の規定や運用方法をいま一度確認しておきましょう。


中小企業の経営者様必見!!

人事労務に関する役立つ資料が無料でダウンロードできます!
日々の業務にお役立てください!
→資料ダウンロードはこちら

投稿者プロフィール

柏谷英之
柏谷英之
柏谷横浜社労士事務所の代表、柏谷英之です。
令和3年4月から中小企業においても「同一労働同一賃金」が適用されました。これは正社員 と非正規雇用労働者(有期雇用労働者・パートタイム労働者・派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。これまでのように単にパートだからという理由だけで「交通費や賞与はない」ということは認められません。
これからは「同一労働同一賃金」に対応するため、正社員 と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差を是正しなければいけません。
「働き方改革」が推進され、残業時間の上限規制(長時間労働の是正)、有給休暇の取得義務化など、法律はめまぐるしく変わっています。また「ブラック企業」という言葉が広く浸透し、労働条件が悪いと受け取られる企業は採用にも苦労しています。
法律に適した労務管理で、働きやすい職場環境を整え、従業員の定着や生産性の向上など、企業の末永い発展をサポートします。
お困り事やお悩み事がありましたらお気軽にご相談ください。