コロナで収入が減ったら国民年金保険料の免除申請を忘れずに!

令和2年5月1日から、新型コロナウィルス感染症の影響により国民年金保険料の納付が困難になった場合の特例免除申請が開始されています。
以下の2点のいずれにも該当した場合に対象となります。

(1)令和2年2月以降に、新型コロナウィルス感染症の影響により収入が減少したこと
(2)令和2年2月以降の所得等の状況からみて、当年中の所得の見込みが、現行の国民年金保険料の免除等に該当する水準になることが見込まれること

コロナウィルス感染拡大以前から国民年金保険料の免除制度、納付猶予制度があります。

保険料免除制度とは

生活保護を受けている人、障害年金の2級以上の人、国立ハンセン病療養所などで療養している人は法定免除に該当し、「国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届」を提出することで保険料が免除されます。

本人・世帯主・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が、一定額以下の場合で国民年金保険料を納めることが経済的に困難な場合は、本人が申請し、申請が承認されると保険料の納付が免除されます。
免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類があります。

また失業、廃業した場合にも、雇用保険の離職票の写し、税務署等への異動届出書、個人事業の事業廃止届出書の写し、保健所への廃止届出書の控等を添えて申請することで、免除、納付猶予が認められることがあります。

これらの免除は、将来もらえる年金額に一部反映されます。

保険料納付猶予制度とは

20歳から50歳未満の方で、本人・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合には、本人が申請し、申請が承認されると保険料の納付が猶予されます。これを納付猶予制度といいます。
※ 平成28年6月までは30歳未満、平成28年7月以降は50歳未満が納付猶予制度の対象。

収入のない学生には、学生納付特例制度があります。

納付猶予制度は、免除制度と違い将来の年金額には反映されません。フリーターなど非正規雇用労働者が増え、いまは経済的に国民年金保険料の納付が難しいけど、将来的には納めることが期待できる人のための制度です。

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手続きをするメリット

免除制度で、保険料を全額免除された期間は、老齢年金を受け取る際に本来の年金額の1/2(国庫負担分)が受け取れます。また、保険料免除・納付猶予を受けた期間中に、ケガや病気で障害や死亡といった不慮の事態が発生した場合、障害年金や遺族年金を受け取ることができます。

保険料免除・納付猶予の承認基準(所得の基準)

・全額免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
・4分の3免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
・半額免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
・4分の1免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
・納付猶予制度
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

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特例免除申請とは

今回のコロナウィルス感染症の影響により収入が減少した人を対象に、臨時の特例免除申請が可能となりました。
通常の免除申請は、前年(または前々年)の所得により判定されますが、この特例免除申請では、「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」に、「所得の申立書」をあわせて提出することにより、現在の所得に応じて判定されます。
令和2年2月以降の収入が最も少ない月の額の12ヵ月分を年収見込額とし、その年収見込額から必要経費見込額を控除した後の所得見込額により判定され、全額免除または一部免除されることになります。

対象期間

令和元年度分(令和2年2月~令和2年6月)
令和2年度分(令和2年7月~令和3年6月)
令和3年度分(令和3年7月~令和4年6月)(予定)

令和2年2月にさかのぼって申請する場合は、令和元年度分(令和2年2月~6月)、令和2年度分(令和2年7月~令和3年6月)それぞれの年度分の申請書が必要です。

まとめ

何も手続きをせず国民年金保険料を支払わないでいると、ただの未納となり、将来の年金額にも反映されませんし、未納期間にケガや病気で障害や死亡といった不慮の事態が発生した場合には、障害年金や遺族年金を受けることもできません。
申請して免除になった場合には、年金をもらうための資格を得るための受給資格期間に反映されますし、後から過去10年分は追納も可能です。追納することにより将来もらえる年金額を増やすことも可能です。

国民年金保険料の免除申請は通常時の失業による収入の減少でも申請できます。今回のコロナウィルス感染症の影響により失業した場合や収入が減った場合にも、国民年金保険料の免除申請を忘れずに行っておきましょう。


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投稿者プロフィール

柏谷英之
柏谷英之
柏谷横浜社労士事務所の代表、柏谷英之です。
令和3年4月から中小企業においても「同一労働同一賃金」が適用されました。これは正社員 と非正規雇用労働者(有期雇用労働者・パートタイム労働者・派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。これまでのように単にパートだからという理由だけで「交通費や賞与はない」ということは認められません。
これからは「同一労働同一賃金」に対応するため、正社員 と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差を是正しなければいけません。
「働き方改革」が推進され、残業時間の上限規制(長時間労働の是正)、有給休暇の取得義務化など、法律はめまぐるしく変わっています。また「ブラック企業」という言葉が広く浸透し、労働条件が悪いと受け取られる企業は採用にも苦労しています。
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