賞与を支給した際の手続き

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夏、冬は賞与支給の季節ですね。

もらえれば嬉しいものですが、賞与は必ずもらえるとも限りません。賞与は、業績連動としている会社がほとんどですし、「不景気でうちは賞与がなかった」という話も聞きます。
しかし「賞与は毎年7月10日と12月10日にそれぞれ基本給の1か月分を支給する」といったように支給基準を就業規則等に明確にしている場合には、会社は規定通りに支給義務が生じます。自社の就業規則は把握しておきましょう。

さて、賞与にも所得税、雇用保険、健康保険、厚生年金保険がかかります。いま一度、賞与を支給した際の手続きをおさえておきましょう。

「被保険者賞与支払届」の提出

賞与を支給した場合には、支給日から5日以内に日本年金機構へ「被保険者賞与支払届」を提出します。

この届出により標準賞与額が決定され、被保険者が将来受給する年金額の計算の基礎にもなります。支給の際に健康保険料、厚生年金保険料を引いていたのに届出を忘れていたとなると、それが将来の年金額に反映されないことになりますので、届出漏れは特に注意しましょう。

「被保険者賞与支払届」の対象となる賞与とは

「被保険者賞与支払届」の対象となる賞与は、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるもののうち、年3回以下で支給されるものです。年4回以上支給されるものは標準報酬月額の対象とされ、7月1日前1年間に支払われた年4回以上の賞与の額の合計額を12等分したものを算定基礎届の際に加算します。

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標準賞与額と保険料額

賞与にかかる保険料は、実際に支払われた賞与額(税引き前の総支給額)から1,000円未満を切り捨てた額を「標準賞与額」とし、その「標準賞与額」に健康保険・厚生年金保険の保険料率をかけた額です。

例えば、243,500円が賞与として支払われた場合、標準賞与額は243,000円。
その額に、各県別に定められている健康保険・厚生年金保険の保険料率をかけて算出されます。
保険料は、労使折半となり会社も半額負担します。
標準賞与額の上限は、年度の累計額573万円(健康保険)、1カ月あたり150万円(厚生年金保険・同月内に2回以上支給されるときは合算した額)となっています。

賞与にかかる諸規定を新設した場合

今般、厚生労働省の事務連絡の改正で「毎年7月2日以降に、賞与にかかる諸規定を新設した場合には、年間を通じ4回以上の支給につき客観的に定められているときであっても、次期標準報酬月額の定時決定(7月、8月または9月の随時改定を含む)による標準報酬月額が適用されるまでの間は「賞与」として賞与支払届の対象となる」と明確に記載されました。

「健康保険法及び厚生年金保険法における賞与に係る報酬の取扱いについて」の一部改正について」にかかる留意点について(PDF 179KB)

7月2日以降に年4回の賞与を支給する規定を作成した場合、来年の4、5、6月での算定基礎届の提出までに支給される賞与には、賞与支払届を出しておくことになります。

賞与を支給しなかったとき

事前に日本年金機構に登録している賞与支払予定月に、賞与を支給しなかった場合は、「賞与不支給報告書」を提出することになっています。こちらも忘れずに提出しておきましょう。

まとめ

賞与を年4回支給する場合の規定はあまりお目にかかりませんが、その年たまたま4回支給することがあった会社さんから「4回目から賞与支払届は必要ないですか?」と質問されたことがありました。賞与支払届は、従業員さんの将来の年金額にも反映される届出ですので、専門家に相談したり手続きを依頼するなど、忘れずに適切に行っていきましょう。


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投稿者プロフィール

柏谷英之
柏谷英之
柏谷横浜社労士事務所の代表、柏谷英之です。
令和3年4月から中小企業においても「同一労働同一賃金」が適用されました。これは正社員 と非正規雇用労働者(有期雇用労働者・パートタイム労働者・派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。これまでのように単にパートだからという理由だけで「交通費や賞与はない」ということは認められません。
これからは「同一労働同一賃金」に対応するため、正社員 と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差を是正しなければいけません。
「働き方改革」が推進され、残業時間の上限規制(長時間労働の是正)、有給休暇の取得義務化など、法律はめまぐるしく変わっています。また「ブラック企業」という言葉が広く浸透し、労働条件が悪いと受け取られる企業は採用にも苦労しています。
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