小学校休業等対応助成金が復活!

ワクチン接種が進み、新型コロナウィルスの新規感染者も減少傾向にあります。10月から緊急事態宣言が解除されましたが、令和3年9月初頭時点では全国の公立小中学校で夏休み延長や臨時休校を実施している自治体が全国で1割超に上っていました。

その対応もあってか令和3年4月から両立支援等助成金に統合された「小学校休業等対応助成金」が令和3年8月の休み分から復活しました

令和3年8月1日から同年12月31日までの間に、以下の子どもの世話を保護者として行うことが必要となった労働者に対し、有給(賃金全額支給)の休暇(労働基準法上の年次有給休暇を除く)を取得させた事業主に対して助成金が支給されます。

1.新型コロナウイルス感染症に関する対応として、ガイドラインなどに基づき、臨時休業などをした小学校など(保育所等を含む)に通う子ども
2.新型コロナウイルスに感染した子どもなど、小学校などを休む必要がある子ども

「臨時休業等」とは

新型コロナウイルス感染症に関する対応として、小学校などが臨時休業した場合、自治体や放課後児童クラブ、保育所などから利用を控えるよう依頼があった場合。
保護者の自主的な判断で休ませた場合は対象外です。

「小学校等」とは

小学校、義務教育学校の前期課程、各種学校(幼稚園または小学校の課程に類する課程を置くものに限る)、特別支援学校(全ての部)
障害のある子どもについては、中学校、義務教育学校の後期課程、高等学校、各種学校(高等学校までの課程に類する課程)なども含む。
・放課後児童クラブ、放課後等デイサービス
・幼稚園、保育所、認定こども園、認可外保育施設、家庭的保育事業等、子どもの一時的な預かりなどを行う事業、障害児の通所支援を行う施設など。

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助成内容

有給休暇を取得した対象労働者に支払った賃金相当額×10/10

対象労働者1人につき、
対象労働者の日額換算賃金額(※)×有給休暇の日数で算出した合計額
(※)各対象労働者の通常の賃金を日額換算したもの(日額上限:13,500円(申請の対象期間中に緊急事態宣言の対象区域又はまん延防止等重点措置を実施すべき区域であった地域(原則都道府県単位)に事業所のある企業については15,000円))

申請期限

①令和3年8月1日~同年10月31日の休暇  令和3年12月27日(月)必着
②令和3年11月1日~同年12月31日の休暇  令和4年2月28日(月)必着

消印ではなく、都道府県労働局への到着日です!

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その他の注意点

・休暇制度について就業規則や社内規定の整備を行うことが望ましいですが、就業規則などが整備されていない場合でも、要件に該当する休暇を付与した場合は対象となります。

・年次有給休暇や欠勤、勤務時間短縮を、事後的に特別休暇に振り替えた場合にも対象となります。ただし、事後的に特別休暇に振り替えることについて労働者本人に説明し、同意を得てることが必要です。

・労働者に対して支払う賃金の額は、年次有給休暇を取得した場合に支払う賃金の額を支払うことが必要です。

助成金の支給上限である13,500円(申請の対象期間中に緊急事態宣言の対象区域又はまん延防止等重点措置を実施すべき区域であった地域に事業所のある企業については15,000円)を超える場合であっても、全額を支払う必要があります。
また、この有給休暇は労働基準法第39条に定める年次有給休暇とは別に付与することが必要です。

まとめ

令和3年4月に一度統合された両立支援等助成金では、 労働者1人あたり5万円、1事業主につき10人(最大50万円)までということで、使いにくい制度となった感が否めませんでした。以前の制度が復活したことで、対象となった場合にはぜひ利用したいところです。

申請に際しては会社から申請してもらうことが必要です。
万が一会社がこの制度を利用してくれない場合には、各都道府県労働局の『小学校休業等対応助成金に関する特別相談窓口』が、労働者の方からの相談内容に応じて、「企業にこの助成金を利用してもらいたい」等、企業への特別休暇制度導入・助成金の活用の働きかけも行っています。
日額賃金額が13,500円または15,000円を超えない人であれば、会社側の持ち出しの費用もありません。申請の手間はかかりますが、対象となった場合にはぜひこの制度を利用しましょう。


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投稿者プロフィール

柏谷英之
柏谷英之
柏谷横浜社労士事務所の代表、柏谷英之です。
令和3年4月から中小企業においても「同一労働同一賃金」が適用されました。これは正社員 と非正規雇用労働者(有期雇用労働者・パートタイム労働者・派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。これまでのように単にパートだからという理由だけで「交通費や賞与はない」ということは認められません。
これからは「同一労働同一賃金」に対応するため、正社員 と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差を是正しなければいけません。
「働き方改革」が推進され、残業時間の上限規制(長時間労働の是正)、有給休暇の取得義務化など、法律はめまぐるしく変わっています。また「ブラック企業」という言葉が広く浸透し、労働条件が悪いと受け取られる企業は採用にも苦労しています。
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